忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/09/19 17:00 |
『マンスフィールド・パーク』読了

せっせとオースティンを読んでおります。

『マンスフィールド・パーク』
実家の貧しさゆえに10歳の時に養女としておば夫婦に引き取られたファニーが主人公。
お決まりですが迎えられた先では大して良い扱いを受けません。
特にもう1人のおばノリス夫人は最悪ですね。なにかと嫌味を言ってきます。
自分自身はファニーの養育に関してびた一文出してないくせして偉そうだし…
普段一生懸命働いているファニーが風邪のせいでぐったりしてるとすかさず
「いつもいつもぐうたらして云々」というようなことを言ってきます…お前より働いてるがなw
従姉のマライアとジュリアは自分達より教養がないファニーを見下しています。
そんな中で唯一優しくしてくれるのが従兄のエドマンドです。
ホームシックなファニーが実家に手紙を出せるように準備してくれたり話し相手になってくれたり
褒めたり励ましたり従姉たちと上手く付き合うためのアドバイスなどをしてくれます。

大きくなってからもその関係は変わりません。
他の家族との関係もあまり変わらず家族というより雑用係・召使的なポジションに収まっています。
普通ならもっと反発して家族と険悪になるところですが、元々もっていた内気で臆病な性格と
かなり押さえつけられて育った影響か自己評価が低くて、不当な扱いを受けているとは全く思っていません。
読んでるこっちが「うおおおお、もっと反発していいんだよ!!」と思うくらいですw
エドマンドは相変わらずファニーのために馬を用意してくれたりと親切。
ファニーはエドマンドに対して恋愛的な意味で好意を持っていますがエドマンドは飽くまで妹と思っているので
引っ越してきた美人のミス・クロフォードが好きになってファニーの前で彼女のことをべた褒めしたりします。
もちろんファニーはショックを受けますが特別なアクションは何もなし!!
邪魔してやろうとか自分もアピールしてみようとかは何もなく、ただ親交を深める二人を見ているだけ。
私はミス・クロフォードが好きではなかったことも相まってファニーが可哀想で辛かったです。
「このままだと結婚しちゃうよ! どうするの!?」とハラハラしましたw
ミス・クロフォードは明るくて社交的なんですが…どこで反感を持ったのかな。
この本は登場人物同士がいろんなことについて意見を交わし合うシーンが結構多いので、
多分そのなかでのミス・クロフォードの意見の一つ一つが私と合わず「えー」という小さな気持ちの
積み重ねで「好きではない」と感じるようになったのかも?
ファニーに感情移入していたのかもしれませんが。
後半になってくるとミス・クロフォードの嫌な部分も表出してきます。

途中でファニーに求婚してくるミスター・クロフォードは袖にされてちょっと可哀想だったなぁと思ったり。
過去に不誠実は振る舞いをしていたのをファニーにしっかり見られていたせいで全く信用されず
せっかく熱心なアピールの結果ファニーの態度を軟化させても結局だめにしてしまって。
最初は本当に不誠実だったから私も嫌いでしたがw
まあだめになったのは自業自得だけど…あとちょっとで幸せゲットできたかもしれないのに勿体無かった。
この経験を通してミスター・クロフォードがすっかり更正して誠実な人間になって、
いつかまたファニーに劣らないくらいの良い出会いがあることを願うばかりです。

最終的にはファニーは幸せになり、めでたしめでたしで終わります。
それにしても、この時代の夫婦の年齢差はだいたい6,7歳というのが普通だったんでしょうか?
割と年齢に開きがあり、常に男性の方が一歩先をいって女性を導く側に立つという傾向があるような…。
『高慢と偏見』はあまりそう感じませんでしたが『ノーサンガー・アビー』では明らかにヘンリーが導く立場で
『サンスフィールド・パーク』でもあれこれ世話を焼いていたのはエドマンドの方でした。
うーん。
時代的なことを考えるとそういう風潮でも全然おかしくはないか。

実は『分別と多感』も読み終わっているのですが、もう眠いのでまた今度書きます^^

PR

2009/11/22 03:47 | 本のこと
『ノーサンガー・アビー』読了
ジェーン・オースティン『ノーサンガー・アビー』読み終わりました。

ゴシック小説(ホラー)大好きな少女キャサリンが主人公。
田舎で普通の両親のもと普通に育った子。
笑ってしまうくらい周囲の人の見栄やら建前と本音の差異に気付きません。
小説の読みすぎとちょっと世間知らずなせいでとんでもない方向に行ってしまったりして結構笑えます。
ヒーロー役はヘンリーという牧師。
『高慢と偏見』のダーシーと比べるとかなりくだけた感じの人です。
教養からか言い回しや考え方をからかったりするところがありますが、特に気難しい人ではないようです。
言語学とかの先生にこういう人いそう…と思いながら読んでましたw

訳者あとがきによるとこの本はオースティンの処女作だそう。
実際に出版されたのはオースティンの死後だそうですが…
『高慢と偏見』と比べると若い感じはちょっとするかな?
処女作だと知ったせいかもしれませんがw
当時の傾向に関してのオースティンの意見が相当表出しているあたりは「若さか!」という気がします。
特に小説軽視・蔑視に関しては作中でかなり行を割いて強く反発しています。
更にキャサリンが「男の人は小説なんて読まないのでしょ?」と言ったのに対して
「女性でも男性でも良い小説を読む楽しみを知らない人間は馬鹿ですよ」とヘンリーに答えさせてるあたりも
作者の強い気持ちを感じます。小説蔑視で相当嫌な思いをしたんでしょうね。
今でも「小説なんて~」という人を時々見かけますが、18世紀からそういう人はいたんですねぇ。
そうそう人間の考えも変わらないということでしょうかねー。

2009/11/18 19:07 | 本のこと
『高慢と偏見』読了
ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を読み終わりました。
何年か前に「プライドと偏見」というタイトルで映画化されていましたね。
タイトルだけ見るとイマイチ面白そうじゃないですが、読んでみると面白いです。
イギリスの片田舎に独身の資産家とその友人がやってきたことから始まるはなし。
高慢(に見える態度)と偏見のせいでお互い噛みあわないダーシーとエリザベスをメインに
エリザベスの姉ジェーンとダーシーの友人ビングリーやらその他何人かの人々が
結婚を巡って騒動を引き起こすというストーリーです。
騒動っていってもそんなに大きなことが起きるわけじゃないんですが、全然中弛みもなく読めました。
200年も前に書かれた作品ですが、「こういう人いるいる」と思える登場人物もいて笑えました。
特にエリザベスたちの母親はいかにもいそう。
田舎のお節介でやかましいおばちゃんって感じ…お見合いを勧めまくるような、
悪い人じゃないんだけど身内から見ても「あああもう黙ってて!」と思っちゃうような感じ。
ビングリーは最初の頃はすごく快活でキビキビしたイメージだったのですがダーシーの言ったことに左右されてジェーンから離れてしまったりするあたり、押しが弱いというか自分の考えにあまり自信がない人なのかなーと感じました。(朗らかで人好きのする性格なのは間違いないんだけど)
ただ単にダーシーが押しが利く性質、もしくはビングリーがダーシーを特別中の特別に信頼しているせいという可能性もありますが。

安かったので岩波文庫のやつを買ったのですが翻訳の評判が良くないみたいです。
ちくま文庫の新訳が好評のよう。
評判の良い翻訳ってどんなものか読み比べてみたい気もしましたが、
邦訳二つを読み比べるより原書と邦訳一つを読み比べたほうが面白いですよね。
しかし!
amazonで読んだ感じだと『高慢と偏見』の原書"Pride and prejuice”は私の英語力ではちょっと苦しみそう。
同じく原書も読もうかなーと思っている『あしながおじさん』と比べてみても、
1ページから読み取れる内容が少なくてとても「辞書なしでも大まかには分かる」と言えない状態。
そういうわけで『高慢と偏見』原書はしばしお預け…。
とかいいつつ、ふと目に付いた"Darcy's Story"というペーパーバックをポチりました。
"Pride and prejuice"の主人公はエリザベスですが、"Darcy's Story"はその名の通りダーシーが主人公。
これは後世の人が書いた『高慢と偏見』の番外編的な作品なのですが、
原作にちゃんと沿っており尚且つ痒いところに手が届く。らしいです。
とても評判が良かったのでつい気になって…果たしてちゃんと読めるのか!?
同じく後世に書かれた『続・高慢と偏見』のように邦訳版が出版されていれば苦労せずに済んだのですが…
もしとても読めそうになければしばらく封印しますw
ちなみに続~はレビューが5つ投稿されているうち2つが★1、残り3つが★2と低評価。
いくら日本語版が出ていてもちょっと読む気になれないのでこちらはスルー。

さて、次はどうしようかな。
友達に借りた本も読みたいし、オースティンのほかの作品も読みたい。
オースティンは『ノーサンガー・アビー』を既に買ってあります。
これは噂のちくま文庫から出ている新訳ですよ!
1冊950円という謎の高価さでしたが我慢我慢…。
その他『分別と多感』『マンスフィールド・パーク』は本屋で見つからなかったのでamazonでポチっと。
それにしても本の購入に対しては慎重さが失われがちで困ります。
今月だけで4000円は使った気が…全部文庫本なのに!
ある程度買い溜めが出来るとしばらく買い控えるので結局はバランスが取れているのかなぁ。
そうだと良いんだけど。

2009/11/14 00:40 | 本のこと
あしながおじさんを読んだ
ふらっと本屋に立ち寄ったときに何となく購入したあしながおじさん。
なんとなく面白く無さそうなイメージがあったけど、面白かった。
最後のほうはちょっと笑ってしまった。ロマンスだね。

試験まで1ヶ月、ラストスパートですね。
編入をしようと決めたのが遅かったので勉強量が少ないのが気になります。
ついつい読書してたりポケモンしてたりしますが、
明日からはがっつり放課後も図書館で勉強しますよ!
関係ありそうな本をがんがん読んでポメラでメモを取っていこうかなと。

いろいろ後悔してることとかあるけど…
今できるのは勉強して勉強して面接官に努力とやる気を認めてもらうことだ。
とりあえず借りてる日本美術史の本と奈良美術の本を読破しよう。
博物館にも行きたいな。

2009/10/04 17:48 | 本のこと
せっせと積読本消化中
読み終わってない本がいろいろあるのに気になる本があるとつい買ってしまう…

◆武者とゆく / 稲葉 稔
元剣術指南役の浪人が川で女を助け、その女を狙い続ける男と戦う話。
武者は犬の名前。
可もなく不可もなしといった感じ。犬が可愛い。
結局主人公達どういう人物だったのか、性格的なことがイマイチ掴めなかった。
四十路をいってる割には下手人の人相書きを手習いの子供達に配ったりするうかつさだけど
周囲からは「機転が利く」と思われてるようだし。
機転が利くと見せかけて実は結構うっかりキャラってことなんだろうか。
シリーズで出てるみたいだけど、続きを買うかどうかは微妙な線だなぁ。

◆遠い声 遠い部屋 / カポーティ 河野一郎訳
父親を探してある小さな町を訪れたジョエル少年の話。
映像的で全体が薄暗く沈んだ雰囲気の小説。
ジョエルはちょっとしたことをきっかけにすぐ現実から離れて想像の世界へ行ってしまうから大変。
「悪意があるのでは」「みんなで騙しているのでは」とか想像しちゃったり
あるいは自分の全てが認められる空想の世界へ行ってしまったり。
でも小さなそれ自体は別に何でもないことを勝手に悪いほうに想像して怖がったりすることって
何年か前は結構あったので少し分かるような気がする。
明確な起承転結が見えない話だし説明も少ないので、内容をちゃんと理解できているか分からない。
解説を読んだ感じでは大体拾えたかなー…
とにかく、時間を置いて何度か読み返したい。
映像化したら面白そうだと思ったんだけど、
カポーティの作品は『ティファニーで朝食を』しか映画になってないみたい。

2009/08/23 03:28 | 本のこと

<<前のページ | HOME | 次のページ>>
忍者ブログ[PR]